記録 自分用

感じたことや考えたことを書いていきたい。

孤独の釣りとグルメ/「老人と海」

ヘミングウェイといえば老人と海より武器よさらばの方が有名なのかと思っていたが、彼のノーベル文学賞受賞作はむしろ老人と海のほうらしい(ソースはWikipedia)。まぁノーベル文学賞に受賞作という概念があるのかは置いといて、確かに面白い話であった。

ストーリーとしては魚釣りに出かけて大物を釣り上げたら持ち帰る間に全部サメに喰われたみたいな話であり、100ページちょっとなので「海をナメんなヘミングウェイ!!」という気持ちになるのもわからなくはないが、海上での一つ一つのシーンが熱く、老人のセリフから人間のプライドが感じられるところが好きだ。

特に好きなのはサメを追い払う用の武器もほぼなくなり、また釣った魚の身もけっこう喰われてしまった状況でまた夜に襲われたらどうする?というときに「戦う。おれは死ぬまで戦う」と自問自答するシーン。老人サンチャゴの老いてもなお余りある闘志と生きる気力が伝わってくる。

ここで恐怖を我が物としたサンチャゴが無事に故郷にたどり着いてハッピーエンド人間讃歌は勇気の讃歌ですねとならないのがジャンプ漫画と違うところで、結局魚は全部喰われてしまい、持って帰れたのは骨だけということになる。道中で得たものをすべて失うのが人生ととるか、(文字通りの意味で)血肉は失っても気骨まではなくならないというようにとるかは微妙だが、人間一個体の人生など意にも介さない自然の脅威ととることもできるかもしれない。

問題は自分が釣りというものをやったことがないので船や魚の大きさがいまいちわからなかったことで、老人の船に載せられないぐらいの魚って...?となり、つーかそんなサイズの船でめっちゃ沖合まで引っ張られて大丈夫なんかと心配になったりした。見渡す限りの海原で小舟には自分ひとりなんて自分ならとても耐えられない。

少年のいない孤独の死闘のなかで食べた魚の味を体験する術はない。