記録 自分用

感じたことや考えたことを書いていきたい。

劇にしましょう/「累」

「飯にしましょう」というマンガがある。自分はこれが好きで、描いてあることの3割ぐらいは理解できなくても全巻買っている。いや半分ぐらい理解できていないかもしれないけどとにかく面白い。著者の小林銅蟲さんは見た目がチェーホフにどことなく似ていることを今日発見した。

このつながりで「累」というマンガがある。いや本当はこっちのほうが時間軸的には先なんだろうけどまあよい。これをいつか読みたいと思っていたところ、授業的に5連休ができたのでちょうどよいと思い既刊分を読んでみた。kindle化しているとこういうときにさくっと買えるのでありがたい。なぜか日本語版がkindle化していない某執事は見習ってほしい。

あらすじはなんとなーく知っていたが、読んでみるとストレートに面白い。心理戦もあり、葛藤もあり。そりゃ主人公整形すればいいのにとかその口紅消耗しないのかとかお前海外公演なんて絶対無理やろパスポートどうすんねんとかみたいな疑問はあるけど、まぁマンガだしね。

個人的に一番良かったのはニーナ殺害のシーンで、主人公らが死因を勘違いしているところが面白かった。そりゃ野菊ちゃんが自宅に侵入して殺したなんてなかなか思わないわな。もともと植物状態だったし。

野菊ちゃんといえばこの人の行動原理はけっこう謎で、彼女が主人公を恨むのはちょっと無理がある。母親の仇を向ける相手じゃなかろうて。いやしかし20年近く社会と関わりを持つことなく過ごすとそう思うようになってもしょうがないのかもしれない。いかんせん想像の範疇を超えている。

あと登場人物が恋愛しすぎというかだいたい恋するせいで不幸になっているところが楽しい。チェーホフかよ。いやチェーホフに限らず人生のウェイトを恋愛に割きすぎ問題はJ-Popやハリウッドや源氏物語あたりでよくみられるから自分の方が異常なのかもしれない。このマンガでいえば憎悪のパワーで生きていたはずの誘さんが結婚とかしててちょっと笑った。いやさすがに続かないだろ効力12時間しかないんだしと思っていたら案の定で、ここでこいつが何もせず役者一本を貫いていたらこの物語はなかったんだろう。小説版で詳しく描写されていたりするのかな。これはげっ歯類にも似たようなことが言える。お前の愛する人はもう10年以上前に死んでんねんぞ。

完結していないマンガについて書くのもなぁと思わなくもないが、とにかく面白かったしいいだろう。完結まであとちょっとっぽいので早く続きが読みたい。あとサロメとかの戯曲系もちょっと読んでみようかな。